
音楽配信メディアやポッドキャスティングのプラットフォームでは、ラウドネスの自動ノーマライゼーションの導入が進んでいます。Nugen AudioのMasterCheckプラグインは、このようなメディアで音楽を再生したとき、自分の作品がどのように聞こえるか、DAW上で確認を行うことができるメーター・プラグインです。
このメーターには、国際的に普及しているラウドネス計測基準に対応したラウドネス値の表示機能、ダイナミクスの変化度合いを数値で表示する機能、ITU準拠のトゥルーピーク・メーターが装備されており、ミックスやマスタリングの最終段階で、配信メディアへの楽曲提供を前提としたチェックをこのメーター一つで行うことが可能です。
アプリケーション
・ラウドネスのターゲットに合わせたオーディオ・プロダクション
・ダイナミクスの変動幅を数値で表示
・圧縮コーデックによるクリッピングを防止
・ラウドネスにマッチしたFXチェインのオーディション
・コンプレッションの設定をPLR(Peak to Loudness Ratio)とラウドネス・マッチングを使って客観的に計測
標準的なコンシューマーのプリセットに対応
・Apple iTunes Radio
・Spotify
・ラジオ(replay gain)
・EBU R128
・ATSC A/85(Calm Act)
・モバイル・ストリーミング
プログラム・ラウドネス
・PLR(Peak to Loudness Ratio)ダイナミクスの計測
・ショートターム・ラウドネス
・ITU基準のインター・サンプル・ピーク
1. ラウドネスのターゲット値に合わせたオーディオ制作
コンシューマー向けの楽曲配信サービスでは、ラウドネスを自動でノーマライズするチャンネルの普及が進んでいます。iTunes Radio、Spotify、Windows 8のプラットフォームでは、すでにラウドネスの自動ノーマライゼーションが導入されており、リスナーは頻繁にボリュームを変える必要がなくなりました。この影響で、オーディオの制作者がせっかく「ホット」なミックスを作っても、これらの配信チャンネルでは、自動的に再生音のボリュームが絞られます。つまり、再生プラットフォームが定めたラウドネス・レベルより大きくミックスを作る意味はもはやありません。MasterCheckの’Offset to match’ボタンを押すと、指定したプラットフォームでリスナーが実際に耳にするサウンドを確認することができます。
配信チャンネルで指定されたラウドネスのターゲット値をMasterCheckでモニターしながら、ミックス/マスタリングすることで、ヘッドルーム有効に使ったダイナミックレンジの広い音源を、配信チャンネルでもユーザーに届けることが可能になります。
2. ダイナミクスの変化を計測する
MasterCheckには新しく標準化されたダイナミックレンジの数値指標である、PLR(Peak to Loudness Ratio)の計測機能が備わっています。MasterCheckでは、曲全体のPLR計測と、再生中のダイナミクスの変化を表示するショートタームのPLR表示が可能です。
3. 圧縮コーデックによるクリッピングを防止する
これらの音楽配信プラットフォームでは、ストリーミング用に音楽データのサイズを減らすため、mp3、AAC、Oggなどの圧縮コーデックを使用しています。これらのコーデックは非常に高いレベルの音を扱うことができず、圧縮前に許容を超えたデータがあると、圧縮後にクリッピングを起こすことがあります。-1dBTP(mp3の場合は-3dBTP)を超えずにミックスすることで、圧縮後のクリッピングを未然に防ぐことができます。
4. ダイナミクスとラウドネスのレベルのリファレンスになる音源と比較する
再生プラットフォームのラウドネス・レベルに近づけることに加えて、例えば、同じジャンルの参考になる音源と自分がミックス中の音源を比較して、最適なコンプレッション・レベルを決めるなど、MasterCheckなら、リファレンスとなるトラックとの比較も行うことができます。
5. ラウドネスをシグナル・チェインから取り除く
コンプレッサーやリミッターを適用するとき、問題になるのが、ラウドネス・レベルをブーストしてしまうことです。このエフェクトが実際に音を良くしているのか、もしくは、リスナーが音圧の高い音を好むのか、判断は難しいところですが、MasterCheckは、コンプレッサーやリミッターなど、エフェクトの有り無しをA/B比較する機能があります。求めるラウドネス値に合わせながら、相対的に適用しているエフェクトの効果を比較する事が可能です。
完成したミックスが再生プラットフォームのレベルより大きいと、超過したラウドネスは自動的にレベルを下げられることに注意してください。MasterCheckなら客観的に音圧を変化させるエフェクトの有効性を判断し、コンプレッション・レベルとリミッティング・レベルを最適に設定することができます。ラウドネス値のミスマッチによる意図しないレベルダウンを未然に防ぎ、再生プラットフォームのラウドネス値に最適なミックス作業に役立ちます。
この機能は、ミックスの中のトラックとトラック、グループとグループのラウドネスの違いを比較することにも使えます。このテクニックを応用すれば、ラジオやポッドキャスティングで、BGMの中でダイアログの明瞭度を確保するのも簡単です。
関連タグ:ニュージェンオーディオ 音響解析 ミックス
仕様詳細・対応動作要件は、本製品メーカーサイト情報をご参照の上、お買い求めください。